私たちのめざす看護

私たちの看護

2017.01.26

ご家族ができる看護ケアパンフレットの作成

脳卒中はある日突然発症し、意識障害や麻痺などの後遺症を伴うことがほとん どです。そして多くのご家族は後遺症を負った患者さんを前に、「手に触っても いいですか?」「話かけてもいいのかな?」と接し方に戸惑う場合がほとんどで す。時には患者さんに声を掛けられず、ずっと見ているだけのご家族もいらっし ゃいます。そんな時に、「タオルで顔を拭いてあげませんか?」と提案すると、 ご家族は笑顔になり嬉しそうに患者さんへ声を掛けるようになります。どう関わ って良いかわからないご家族に対して、関わるきっかけ作りが必要であると感じました。
そこで、入院中そして退院後も継続して家族ができる看護ケアに関するパンフレットの作成を、病棟スタッフに 提案しました。その結果、手のむくみの軽減に効果がある緑茶葉入り手袋の作成や、ビニール袋と石鹸があればで きる簡単な手浴方法、手足の関節を左右前後に動かす関節運動の方法などを記載した『ご家族もできるケアパンフ レット』の作成に至り活用を始めています。すると、多くのご家族が積極的に患者さんへ手足の運動をしたり、自 宅で作成した手袋を持参し使用するなどの姿が見られるようになってきました。そうした中で、「夫は紅茶が好き だから茶葉を入れて手袋を作りました」や、「手を握ったら目を開けてくれる反応がありました」と、喜びの声を 伝えてくれるご家族もいます。私は認定看護師として、患者さんやご家族の言葉だけでなく表情や仕草から求めて いるものを感じ取りながら、私たちの看護実践に繋げる努力をこれからも続けていきたいと思います。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 森山あゆみ

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