私たちのめざす看護

私たちの看護

2019.09.19

患者の治療選択に向けた多職種での関わり

4病棟は内分泌内科と腎センター(腎臓内科・腎臓外科)からなる内科と外科の混合病棟です。なかでも腎センターは、多摩地区唯一、血液透析・腹膜透析・腎移植の全てに対応しています。腎臓病は、腎不全初期の検査入院、腎代替療法(腹膜透析・血液透析)の選択と導入・腎移植など患者により入院の目的や治療は様々です。そして全ての病期において自己管理が重要となってくるため、看護師が行う指導も多岐にわたります。腎臓病療養指導士と腎臓病担当チームの看護師が中心となり、腎臓病教室や患者・家族への個別指導を行っています。

特に腎の代替療法(血液透析・腹膜透析)と腎移植の選択においては、患者や家族の価値観及び生活観が重要になります。そして導入後の生活も大きく変わるため、私たち看護師は患者や家族が必要とする情報を提供し、納得して選択し、治療に臨めるよう時間をかけて関わる必要があります。

Aさんは外来で代替療法選択の説明を受け、腹膜透析を選択し導入のために入院してきました。私たち病棟看護師は、日々の会話のなかで、Aさんがゴルフのほかにも登山やスキー・キャンプが大好きであり、出来る事ならアウトドアライフをあきらめたくないと思っている事を知りました。その情報を基に医師は、カテーテルの出口部をゴルフの動作をしても支障のない所に作れること、スキーやキャンプは問題なく行ける事、登山は日帰りであれば可能である事を本人へ説明しました。また、看護師は、清潔手技の必要性と緊急時の対応方法を繰り返し指導しました。Aさんは、自宅での腹膜透析の手技に慣れたら少しずつ外に出てみようかなと話し退院していきました。

しばらくしてAさんは病棟に寄り、「ゴルフもキャンプも行った、スキー場デビューもした、駐車場でも腹膜透析のバック交換は出来たから、来年は泊りでのスキーを計画している。」と話してくれました。Aさんが腹膜透析を始めても趣味のアウトドアを楽しめていると知り、とても嬉しく思いました。

私たち病棟看護師は、患者が日常生活に戻った時に、より良いライフワークを継続できるような支援が出来ればと考えています。そのために患者としっかり向き合い、一人一人に合った指導が実践できるよう病棟全体で取り組んでいます。

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