私たちのめざす看護

私たちの看護

2020.01.30

患者さん・ご家族に寄り添う看護をめざして

D5病棟は、消化器内科40床、高齢診療科10床の内科病棟です。消化器内科では、肝胆膵疾患や上下部消化管疾患で内視鏡的治療や化学療法目的の患者さんから、悪性腫瘍の終末期医療・緩和ケアが必要な患者さんまで幅広く入院されています。高齢診療科は、主に造血器疾患で化学療法を行う方がほとんどです。
D5病棟は、今年度「多職種連携により患者・家族が安心して退院できる」という目標を掲げて日々看護ケアを行っています。患者さんは高齢の方も多く、病状から自宅退院が難しい方もいらっしゃいますが、入院当初から退院支援看護師と連携し、合同カンファレンスを週3回実施するなど早期から退院に向けた取り組みを実践しています。また、終末期を迎えている患者さんで、自宅退院を希望される場合、医師やコメディカルも含めたチームで協力し、その意向を実現できるよう退院調整をしています。
Aさんは病状としては終末期にあり、食事摂取が困難で24時間持続の高カロリー輸液が必要な方でした。そのような中でも、ご本人・ご家族より自宅で過ごしたいという希望がありました。その意向に添えるよう退院支援看護師と情報を共有し、患者本人やご家族との面談を調整、自宅に帰るにはどのような社会資源や人的サポートが必要か検討しました。病棟看護師は、自宅に戻られてからの点滴の接続や点滴刺入部の消毒方法など、退院後に自宅で行ってもらう手技に対する退院指導を行いました。連日指導していく中で、ご本人やご家族が少しずつ手技を獲得し、退院時には笑顔で自宅へ帰られました。そういった姿を目の当たりにすると、私達看護師もやりがいを感じます。Aさんは結果的に自宅でお亡くなりになりましたが、その後ご家族が病院に寄った際に「自宅で看取れてよかった」と笑顔で話してくれました。そのようなお話を聞くと、患者さんとご家族の思いに寄り添った看護の重要性を感じ、病棟看護師としてさらに頑張っていこうと思います。入院される患者さんの病状は多岐にわたります。それぞれの患者さんがその人らしく病気と向き合えるように、患者さんとご家族をサポートしていきたいと思います。

D5病棟  酒井 賢一

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