私たちのめざす看護

私たちの看護

2022.05.14

患者さんに寄り添って看護を実践する大切さ

A3西病棟は循環器内科と心臓血管外科の病棟です。心臓や大血管の手術、心臓カテーテル治療をする患者さん、心不全の患者さんなどが入院されます。緊急入院される患者さんも多く、患者さんの不安を取り除きながら日々、日常生活の援助、セルフケアの向上、退院後の生活支援などについて多職種と一緒にカンファレンスを行いながらケアを実践しています。

私が3年目の頃、心不全が悪化し呼吸器を装着している患者さんを受け持っていました。患者さんから「歯磨きがしたい」と訴えがありましたが、私の中で“呼吸器を付けているため怖い”という気持ちがありました。しかし、口腔内を観察すると乾燥し、喉や舌に痰が付着していたため、綺麗にしてあげたいと思い、医師と相談し実施することにしました。ベッドを起こし見守りの下、患者さん自身で歯磨きをしてもらいました。腕は浮腫で思う様に上がらないため私が支え、また、含嗽の代わりに口腔内に溜まった水を吸引しました。ご家族に買って来て頂いたジェルで口腔内を綺麗にした後、患者さんから「とっても気持ちよかった。」と筆談によるメッセージを笑顔で伝えていただきました。私達にとって歯を磨く事は当たり前ですが、患者さんは入院生活を送る上で多くの制限を伴うことがあります。私たちが患者さんのできない部分に配慮し、寄り添って援助して行く必要があると実感しました。

患者さんにとって何が必要か、患者さんや家族が何を望んでいるのかチームで考え看護する中で、患者さんの笑顔を見た時、看護師という職業を選んで良かったなと心から思えます。

金子侑香里

 

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