私たちのめざす看護

私たちの看護

2022.11.01

外来で安心して治療が受けられることを目指して

私は、「腎臓病センターと乳腺科」の外来と、日帰りで抗がん剤治療を行う「化学療法センター」に所属しています。腎臓病センターでは、慢性腎臓病疾患から生体腎移植を受ける患者の看護を行い、乳腺科では主に乳がん患者の看護を行っています。化学療法センターでは、当院の全科の外来で行う化学療法に対応しています。

私の持つがん化学療法看護認定看護師という資格は、がんと診断されて様々ながん治療の中で、患者さんが自分で選択しなくてはいけない時に意思決定を支援したり、安全に抗がん剤治療を受けられるように関わり、副作用症状が少しでも緩和できるようにするという役割があります。私は元々血液内科病棟で約18年勤務しました。そこで強い副作用の出る抗がん剤治療を受ける血液疾患患者さんの苦痛を少しでも和らげて、治療と向き合えるように支えたいと思ってこの資格を取りました。

20年前から入院期間を短縮する流れとなり、化学療法の副作用を緩和する支持療法薬の開発など、化学療法を受ける医療背景や環境が変化しています。そのような中、新しい抗がん剤の開発も遺伝子レベルで進み、がん患者さんにとって選択肢が増えました。これはとても嬉しいことですが、その反面、色々な抗がん剤が出たことによって多岐にわたる副作用の管理が必要となりました。外来化学療法を受ける患者さんは、自宅で過ごすために、自分の受けている治療について学び、出現する可能性のある副作用症状を知らないといけません。そしてそれらを管理するために多くのセルフケアを修得しなくてはいけません。どのような副作用が出る可能性があるのか、予防行動はどうしたらいいのか、症状が出たらどの程度かを観察し、症状が緩和するように対処し、悪化時は受診行動を起こすことが求められます。症状によっては治療継続が難しくなることがあり、また苦痛症状があると生活の質が悪くなります。実際に看護師が外来で患者さんと関われる時間はとても短いのですが、自宅で困っていることはないか、症状にうまく対処できているか、医師に自分のことを上手く伝えられているかなど、少しでもサポートできるように関わっています。

現在、当院では外来で治療を継続する患者さんがいまだに増え続けています。少しでも苦痛がないように、穏やかに生活ができるように、そして安心して安全に外来治療が受けられるように今後も看護していきたいと思います。

がん化学療法看護認定看護師 友野亜妃子

 

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