新人が語る心に残る看護場面

2022.06.01 コミュニケーション

まだ入職して2か月も経っていない3回目の夜勤の時、心不全のため入院していたAさんとお話する機会がありました。私はその日、Aさんの受け持ちではありませんでした。しかしAさんを受け持っていた先輩が休憩に入っている間に、Aさんからナースコールがあり伺うと、「氷を持ってきてほしい」と話しました。Aさんは治療のため水分制限があり、氷を食べることでのどの渇きを潤していたのです。私はすぐに氷を用意し、Aさんのところへ持っていきました。すると突然、「死にたいです。殺してもらえないですか。」と真っすぐ私の目を見て、落ち着いた口調でおっしゃいました。それまでAさんからはそのような言動が全くなかったので、私自身とてもショックを受けました。私は恐る恐る「どうしてそう思うのですか」と尋ねてみました。するとAさんは「こんなに看護師さんにお世話してもらって申し訳ないし情けない。看護師さんや先生みんなに迷惑をかけてしまっている。」とおっしゃいました。私は迷惑だとは思っていないことを伝えましたが、他にどのような声かけをしたらよいかわからず、その後もただAさんの話を聞くことしかできませんでした。

バックナンバー

2024.01.11 足湯

2024.01.11 プリセプターからの教え

2023.12.01 術前訪問

2023.12.01 コロナ禍での看護

2023.10.30 患者さんから教えてもらったこと

2023.10.30 患者さんの望みを尊重した関わり

2023.08.17 苦痛を軽減するために

2023.08.17 生きがいの大切さ

2023.08.17 ユマニチュード

2023.07.05 今日もあなたにしてもらえてよかった