私たちのめざす看護

私たちの看護

2014.10.16

患者さんに寄り添う看護

私は第三外来の主にリウマチ外来で勤務しています。リウマチ外来はその名の 通り主に関節リウマチの患者さんを診察していますが、その他にリウマチ性疾患 の患者さんもいます。リウマチ性疾患というのはエリトマトーデス、強皮症、シ ェーグレン症候群、多発性筋炎、ベーチェット、線維筋痛症などの様々な疾患が あります。中でも当外来には線維筋痛症の患者さんが多く来院されています。
近年、線維筋痛症に関する情報がインターネットやマスコミなどで増えてきた ため、目にした方もいるかと思います。主な症状は全身の激しい痛みであり、副 症状は不眠、うつ病などの精神疾患症状、過敏性腸症候群、逆流性食道炎、過敏性膀胱などの自律神経系の症状な どです。いまだ治療法は確立していませんが、2009年には日本線維筋痛症学会が設立され、現在線維筋痛症を取 り巻く環境は大きく変化しています。しかし、まだ認知度は低く患者さんの多くは辛い痛みとともに病気を理解し てもらえないことへの心的苦痛が、さらに痛みの増強へと繋がっているのです。
痛みは目に見えません。そのためリウマチ外来ではペインビジョンという装置を用いて患者さんの痛みを数値化 し目に見える形にします。それにより痛みの本質は理解できなくても、患者さんが嘘偽りなく痛いという事実を理 解することができます。ある患者さんは長年全国の病院を渡り歩き、当院のリウマチ外来にたどり着きました。そ して「線維筋痛症だね。」と病名を告げられた瞬間「光がさしました。ようやく前を向いて歩けそうです。」と泣 き崩れました。
しかし、治療効果はすべて上手くいくとは限りません。辛そうにしている患者さんを前にして無力感にさいなま れることもあります。けれどもそこから逃げずに患者さんを孤独にさせず、患者さんのそばに寄り添っていければ と思っています。大変なことも多いですが、このリウマチ外来にはかけがえのない出会いとやりがいがあります。

第三外来 布施

私たちの看護 最近の記事