新人が語る心に残る看護場面

2018.09.03 退院調整

Aさんは原因不明の両下肢痛としびれのため、歩行困難となっていました。病棟内も車椅子で移動する事が多いAさんでしたが、医師から外泊の話が出ていたので看護師たちも退院に向けての外泊が出来るよう調整していこうと考えていました。
ある日、医師とAさんが外泊について話した直後、私はAさんの元を訪れました。すると「外泊って話だけど、外泊なんて無理だよ。歩けないのに。全然分かってないんだよ。退院も今月中にって態度で分かるよ。周りが勝手に動いていて、置いていかれている感じがする。押しつけだ。」とAさんが口調を強くして言いました。試験外泊でも自宅に帰れる事は患者さんにとって嬉しいことと考えていた私にとって、Aさんの言葉は予想外のものでした。私はすぐにリーダーへ報告し、Aさんと主治医を交え話し合いを持ちました。
医療者の連携、Aさん本人とのすりあわせが出来るようになってからは、Aさんのやる気も上がりました。私は今回のことで退院調整の大切さや難しさを学ぶことが出来ました。さらに、患者の思いを組んで調整することが大切だと、改めて学びました。
Aさんは毎日リハビリに励み、歩行器だけでなく杖を使って歩けるまでになりました。そして天気の良い日には遊歩道でリハビリを続けています。自宅への試験外泊も終え、退院に向けて前向きな発言も聞かれるようになってきました。

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