新人が語る心に残る看護場面

2018.11.06 いつも

OPE室で外回りの業務を初めて1ヶ月ほど過ぎたある日のことです。少しずつ業務の内容も覚え、慣れてきたと感じていました。私はいつものように患者さんを手術室まで案内し、手術室の椅子に座ってもらいました。入り口のドアを閉めるために一瞬、患者さんの傍を離れ、再び戻った時、患者さんはポロポロと涙を流されていました。
その姿を見て、どう声をかければいいのかことばを探しますが見つけられません。安易な言葉を掛けるわけにもいきません。患者さんの感情にどう寄り添えばいいのか、頭の中でいろいろな言葉や方法が浮かんでは消えました。
その術式の手術を担当したのは何度もあり、私は“いつも通り”に患者さんを案内していました。患者さんがどんな決意で手術室まで来て、どんな思いで歩いているのか、それは十人十色だと分かっているつもりでいました。その結果、患者さんの涙にどうしていいのか分からず、戸惑うことになってしまいました。
患者さんにとっては一度きりの手術であり、いつもとはかけ離れた空間に足を踏み入れることになります。そんな患者さんの気持ちにどう寄り添うか、もっと考え向き合っていきたいと思います。
私にとっての“いつも”は決して患者さんにとっての“いつも”ではないのですから。

バックナンバー

2020.11.16 術前訪問

2020.11.16 手術

2020.11.16 時間を作る

2020.11.16 初めての洗髪と手浴

2020.11.16 真摯に向き合う

2020.11.16 洗髪

2020.10.30 初めてのお看取り

2020.10.30 生きる力

2020.10.30 人としての尊厳

2020.10.30 声をかける