新人が語る心に残る看護場面

2018.12.04 お薬の説明

ある昼のことです。私がAさんのところへお薬を配りに行くと、お渡ししたお薬1錠1錠について説明を求められました。1錠説明すると、その薬効についてパソコンで調べ、納得すると内服されました。Aさんは内服後に少しずつ少しずつ、お薬や注射が怖いという気持ちを話してくれました。50年前に肺炎の弟さんが内服が合わず他界したことや、40年前に母親も同じように注射薬が合わず亡くして以来、医療への信頼を一切失ってきたと言うことでした。
そういうこともあって、Aさん自身も医療機関に関わらないで済むように、体調管理には人一倍気をつけていたのに「どうして私が?悔しい。」と涙ぐんでいました。私は何も言えずに相づちを打ちながら話を聞くことしか出来ませんでしたが、お話の最後に少しすっきりした表情で「話を聞いてくれてありがとう。忙しいのに悪いね。」とおっしゃったので、「いつでもお話聞かせてください」とお伝えすると、にっこりと笑顔を見せてくれました。その後はお薬の説明を1錠1錠求められることはなく、徐々に病状も回復されていきました。

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