新人が語る心に残る看護場面

2020.11.16 術前訪問

私は手術室で勤務しています。種々を担当する数時間の間も患者さんは全身麻酔で眠った状態にあり、患者さんとコミュニケーションをとれる時間はほとんどありません。そんな私たち手術室看護師が、唯一患者さんときちんとコミュニケーションをとれるのが術前訪問です。

私は翌日手術を控えた、Aさんの術前訪問に行きました。Aさんは若い女性だったこともあり、既往歴やアレルギーの問診、手術室での流れの説明までスムーズに進んでいきました。最後に「なにか不安なことや聞いておきたいことはないですか?」と尋ねると、「大丈夫です。よろしくお願いします。」と柔らかな表情で答えてくださいました。

次の日、手術室に入室したAさんの表情は昨日とは全く異なり、とても緊張した様子で硬い表情をしていました。私はすかさずつけていたマスクを取り、「昨日お伺いした看護師の○○です。」と改めて自己紹介をしました。するとそれまでのAさんの表情が一変し、「あぁ!よろしくお願いします。」と笑顔を見せてくれました。

手術室は見慣れない器械、マスクや帽子をつけたスタッフに囲まれ、どこか冷たいイメージがあります。術前訪問というわずかな関わりの中でも、これから手術を受ける患者さんへ少しでも安心を提供できるような看護師になりたいと思いました。

バックナンバー

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