新人が語る心に残る看護場面

2021.11.04 声がけ

私が日勤独り立ちをして1か月ぐらい経ったころの話です。私は初めて、他病棟からの転入患者の受けもちをすることになり緊張していました。転入してきたAさんは、術後2日目で点滴やドレーンが挿入されており、術後の疼痛や倦怠感からリハビリや内服を拒否されていました。転入後、Aさんに「今日はリハビリと薬の内服を一緒に頑張りましょう。」と声をかけると、「絶対無理。嫌だ。放っておいて。」と拒否されました。Aさんにとって、リハビリも内服も必要なことであるため、頑張ってやってほしい一心で私は焦り、時間を空けて何度か声がけをしていきました。すると「嫌だって言ってるの。歩くか薬飲むかのどちらかなら、やれなくもない。」と話してくださいました。私は先輩看護師へ相談しました。先輩は「どっちもやってほしい。少し声がけの内容を工夫してみたらいいんじゃない?」とアドバイスしてくださいました。先輩の助言を参考に、薬の薬効を調べてAさんへリハビリ、内服の必要性をふまえて再度声がけをしました。Aさんは「そこまで説明してくれるのね。しょうがない。」と、渋々ではありますがリハビリと内服をしてくださいました。

数か月後、ほかの患者さんの元へ面会に来られているAさんに偶然会うことがありました。覚えてるかな?と思いながらAさんに挨拶すると、「私が辛いときに担当だった〇〇さん。頑張って続けてるんだね。あの時、不慣れなくせに必死で私のことを考えて何回も話しかけてくれてありがとう。私のことを本気で心配していってくれてるんだなって、ちゃんと伝わってたよ。あの時、根性のあるいい看護師になれるなって思ったから頑張りなさいね。」と話してくださいました。

私は患者さんの思いや置かれている状況に向き合い、関わっていくことが大切であると改めて実感しました。また忙しく余裕のない毎日だからこそ、常に意識して患者さんの気持ちや思いに耳を傾けていきたい、と思った経験でした。

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