新人が語る心に残る看護場面
2020.10.12 頼られる看護師に
Cさんは脳梗塞の後遺症で右片麻痺があり、トイレや着替えなど日常生活動作は介助が必要な方でした。以前、Cさんは大腸疾患を患い排便回数が多く、1日に何度も排便がありました。
「便が出ないから下剤ちょうだい。」
排便が1日ないと、いつも下剤の内服を希望されました。その都度「そんなに飲むとお腹が痛くなってしまいますよ。」と説明しますが、それでも内服の希望があり、内服している方でした。そんなやり取りが数日続き、Cさんの転院が決まり転院が近づいてきたある日、「あなたはいつも何か頼んでも、嫌な顔をしないで聞いてくれるわね。いつもごめんね。ありがとう。他の人だと少し頼みづらいのよね。」とCさんがおっしゃいました。その時私は、患者さんから感謝を伝えられたことがなかったのでとても嬉しく、ちゃんとやってよかったなと思いました。
今回の体験を通して、自分では意識していなくても表情や声色にさまざまな思いが出てしまっているのだと思いました。患者さんにとって看護師は一番身近で日常生活援助をする人です。患者さんと話したりケアをしたりするときには、笑顔で対応し患者さんから頼られやすい看護師になりたいと思いました。