新人が語る心に残る看護場面
2020.10.30 洗髪
Aさんは女性で、交通外傷により緊急入院された方でした。入院3日目、私が受け持つことになりました。Aさんは交通外傷による疼痛がありましたが、鎮痛剤を使用して緩和することができていました。Aさんの髪は肩より下までありましたが、ゴムでまとめておらず、からまってもつれている状態でした。私はAさんの状況を見て、「洗髪をしたい」と思いました。Aさんの了解も得られたので、鎮痛剤を内服し疼痛が落ち着いた時間を見計らって洗髪を実施しました。入院後、表情があまり変わらず笑顔も見られなかったAさんですが、洗髪後「ありがとう。」と笑顔でおっしゃいました。そのとき私は初めてAさんの笑顔を見て、洗髪をやって良かったと思いました。
患者さんは今まで当たり前にできていたことが、突然できなくなることがあります。私は患者さんにとって、それが一番辛いと思います。私は看護師として、少しでもその辛い思いをくみ取り、心身ともに支えられるようになっていきたいと思いました。