新人が語る心に残る看護場面

2020.11.16 洗髪

Bさんは、てんかんの重責発作で緊急入院されました。安静度は「車いす可」でしたが、既往のリウマチによる疼痛のため、入院前からほとんどベッド上で過ごしている方でした。ある日脳波の検査があり、1時間ほどベッド上で検査を受けた後「お疲れさまでした。」と私が声をかけると、いつもと変わらない笑顔で「何度も受けている検査だから、慣れてるのよ。」と応えてくださいました。しかし「この検査をすると髪がベタベタしちゃうの。」と、

髪を触って表情を少しくもらせました。私はその言葉を聞いて、「髪を洗ってあげたいな。」と思い、「髪、洗いましょうか?」と提案しました。Bさんは「どうやって洗うの?」と疼痛のために車いす乗車も難しく、ほとんどをベッドで過ごしている状態で、どのように髪を洗うのかとても驚いた様子でした。「洗髪車と言って、ベッド上で洗髪するための台をベッドサイドに持ってきて洗うことができます。大丈夫、できますよ。」と説明すると、「じゃあ、お願いします。」と笑顔を見せてくださいました。さっそく洗髪車を持ってきて、洗髪を行うと嬉しそうな笑顔で「ありがとう。とても気持ちよかった。」とおっしゃってくださいました。

Bさんは普段から笑顔を見せてくださる方でしたが、なかなか洗髪をすることができず晴れやかな気分ではなかったと思います。私が患者さんのちょっとした仕草に気付き、それに対するケアを実施したことで、患者さんの気分が明るくなってもらえたことがとても嬉しく思いました。

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