新人が語る心に残る看護場面
2021.04.02 コミュニケーション
気管切開をしたBさんが入院され、私が受け持ちになったときの話です。ナースコールがあって訪室すると、「便が出た」との訴えがありオムツ交換をしました。私はBさんのことを「気管切開をしている患者さん」というイメージが強く、Bさんと関わるときには緊張してケアに集中しており、ゆっくりお話しできずにいました。
Bさんは経管栄養に対して拒否が強く、毎回説得して実施していました。時には医師からも説明してもらうこともありました。私はまずBさんとの関係性を築こうと、なるべく訪室回数を増やしました。Bさんはいつもテレビを見ていたためテレビの内容のこと、リハビリや毎日面会に来る奥さんことなどを話しました。話していると、笑顔も多く穏やかな表情が増えていき、拒否の発言はなくなっていきました。私はBさんを受け持つことが多く、このようなコミュニケーションを続けていくと、私が訪室するだけで笑顔で話しかけてくださったり、最初の頃よりも「○○してほしい。」と声をかけてくださる場面が多くなりました。さらに私が部屋を後にする時には手を振ってくださるようになり、奥さんからも「いつもありがとうね。」との言葉もいただきました。
私はBさんとの関わりから、コミュニケーションの大切さと患者さんの信頼を得ることの大切さに改めて気づかされた出来事でした。業務に追われる毎日ですが、心にとめて頑張っていきたいと思います。