新人が語る心に残る看護場面
2021.07.07 看護というもの
入職して半年以上経ちました。できることが増えた半面、責任感を持って仕事をやらなければという緊張に追われる毎日でした。入職したばかりの頃は、「忙しくても患者さんに寄り添う看護をして、生きる力を引き出したい」と思っていました。しかし現実は、業務の多さに自分の思うような看護ができないうえ、自分の知識のなさに落胆する毎日でした。
その矢先、地元にいる母が入院しました。そのとき母から「看護師さんたちうるさくてさ。しかも部屋が暑くて暑くて。急だったから下着とかもなくてさ。看護師さんに暑いのをどうにかできないか聞いたら、ここクーラー効かないんですよねって言うだけで、何もしてくれなかった。あなたは、患者さんがこんなふうに少しのことでも訴えてたらきちんと対応するんだよ。」と言っていました。実際に自分の家族からこのような話を聞いて、また改めて患者さんの思いや訴えに気づけるように努力しようと心がけていました。しかしやはり忙しく、手いっぱいになっていた時がありました。
そのとき受け持ち患者さんのAさんから、「痛み止めが欲しい」とナースコールがありました。私は「持っていきますね。」と言ったものの、他の業務に追われなかなか持っていくことができませんでした。再度Aさんから「まだですか。」とナースコールがありました。私はAさんの痛み止めを持っていくことを忘れてはいませんでしたが、Aさんの「痛い」という苦痛に対してすぐに対応できず、和らげることができませんでした。私はAさんに謝罪をし、受け入れてくださいました。
私は母の言葉のこともあり、自分の情けなさに落胆しショックでした。もう一度「看護」を考えさせられる経験となりました。