新人が語る心に残る看護場面
2019.03.27 驚くほどの回復力
ある日、受け持った痙攣重積のAさんは挿管管理をされていましたが、午前中に抜管の予定でした。抜管後、鎮静薬も切れ、意識もはっきりしてきたAさんはしっかりお話できるようになりました。
もともと、他院にかかりつけだったAさん。抜管後の呼吸状態もよく、痙攣発作もなかったのでご家族と調整し退院の方向に話が進んでいきました。そこからはあっという間で、挿入されていた動脈ライン、膀胱留置カテーテル、胃管を次々に抜去。静脈留置カテーテルを残したのみで、ご家族の来院を待つことになりました。
待っている間、いつも16時になるとコーヒーを飲むこと、でもコーヒーを飲むと何故かおばあさんに怒られてしまうことなど、Aさんは色々お話してくれました。Aさんは発達障害があり、時折つじつまの合わないことを言ったり、急に怒り出すときもありましたが楽しくお話しすることができました。
朝、受け持ったときには意識もはっきりせず、自分で寝返りもうてなかった姿からは想像もできない状態でした。そしてご家族が見えると退院が決定し、Aさんは何と歩いて元気に退院されました。患者さんの持つ回復力には驚かされるばかりです。