新人が語る心に残る看護場面
2018.10.05 病室では感じられない特別なもの
Aさんは入院して1ヶ月ほどベッド上で過ごされていました。状態も安定してきたので退院に向けてADL向上のため数日前よりリハビリが開始されました。
その日の朝、私が挨拶に伺うと「今日はリハビリがお休みなんだけど、天気もいいし、ちょっと外まで散歩に行ってもいいかな?」と言われたので一緒に散歩に行くことにしました。ベッド上のAさんしか見たことない私は『転倒してしまったら・・・』『途中で具合が悪くなったらどうしよう・・・』など不安でしたが、様々な場合を想定し、イメージしてから散歩に行きました。
散歩中Aさんは「この前は平行棒で150歩も歩けたよ。」とリハビリの成果を嬉しそうに話してくれました。私は数日間でここまで歩けるようになった事への驚きと、退院までしっかりとリハビリを進められるようにしなければという責任を感じました。
日陰で5分ほど座ってお話ししました。「暑いけど気持ちいいよ。」とAさん。普段は病状について聞くことが多かったのですが、ご家族の話などいつもはなかなか話せないことも聴くことが出来、穏やかなAさんの表情を見て、病室では感じられない日差しや風は特別なものだと感じました。
普段の私は業務をこなすことに精一杯で、患者さんのニーズについて考えることが出来ていなかったことに気づきました。そして、看護師としてどんなことが出来るのか考えていけるようになりたいと思いました。