新人が語る心に残る看護場面
2023.12.01 コロナ禍での看護
入職して2か月ごろに受け持った患者さんです。Aさんは原因不明の発熱が続いていました。倦怠感と四肢の浮腫により自力で体動ができなくなり、臥床状態が続くようになりました。Aさんは「もう明日で死ぬんだろうな」「もう終わりにしよう」などネガティブな発言が多くみられるようになりました。
私がいつものように保清を行い終了したことを伝えるとAさんが突然「妻に会いたい」と涙を流しながら言葉にしました。私は初めての出来事であり、どのような言葉かけをするべきなのかわかりませんでしたが、Aさんの手を握り、肩をさすりながら傾聴しました。Aさんは一人で動くことができないことへの辛さや家族に会えないことへの寂しさを話してくださいました。コロナ感染拡大防止のため面会を行うには条件があり、すぐには面会をすることができませんでした。私は先輩と相談しテレビ電話を通して家族と面会を行いました。Aさんは涙を流しながら「顔がみれてよかった。」と話されました。
コロナ禍で家族になかなか会えない状況であるため、患者さんは不安が大きいとお思います。少しでも安心して入院生活が送れるように私たちは考えていかなければならないと思いました。