新人が語る心に残る看護場面
2023.12.01 術前訪問
子宮全摘手術を行うAさんに術前訪問と外回りをしたときのことです。Aさんは手術歴はなく、30歳代で初めての手術でした。前日に術前訪問に行ったとき「初めての手術でとても不安です。麻酔で眠るまでの間、身体に触れていて欲しいです」と発言がありました。話している間も始終俯きながら不安そうな表情をしているAさんに「不安ですよね。ちゃんと傍にいます」とお伝えしました。
当日、手術室入口にAさんを迎えにいくと、既に涙を流していました。私は自己紹介をしたあとAさんの肩に触れ「不安ですよね」と声かけを行いました。泣いていることに対して嗚咽をもらしながら「ごめんなさい」と謝ってこられました。私は「大丈夫です。(ティッシュを差し出し)涙を拭くのに使ってください。ゆっくりで大丈夫です」と伝えました。手術前の確認項目を行っている間も始終嗚咽を漏らしながら返答していました。
麻酔導入前、Aさんの肩に触れながら「ゆっくり深呼吸しましょう。眠るまで傍にいますね」と伝えるとAさんは涙を流しながら「ありがとうございます。眠るまでが不安で・・・安心します」とおっしゃいました。
Aさんのように不安表出が強くある患者さんにどうやって接したらいいか、私の発言がAさんに不安を与えていないかを考えていました。麻酔導入直後にAさんから「安心します」という言葉がきかれたことで私の声掛けや関わり方は間違えではなかったのだと実感することができました。また、手術前日に受け持つ患者さんの術前訪問にいき、患者さんと面識を持ち不安の内容を把握することで寄り添った看護を提供することにつながると思いました。