新人が語る心に残る看護場面

2025.01.10 日々のコミュニケーションの大切さ

両側声帯麻痺で気管切開したAさんについてです。Aさんの術後経過は良好でしたが、気管切開して数日間は気管チューブが挿入されるため、筆談での会話が中心でした。Aさんはお話をするのが好きな方で、スムーズに会話が出来ないことにストレスを感じつつも、私が聞いた事に対して筆談で一生懸命答えてくれていました。私が聞くこと以外にも、Aさんの方から話題を提供して頂きお話することも多く、信頼関係が築けたと思っていました。その後、状態も安定していたため気管チューブから気管カニューレに変更となり、キャップをすれば、会話も可能となることにAさんも喜びを感じていました。しかし、キャップの装着の指導を行うも「なんか苦しくて怖い、口の中が変な味がするようになる気がして。」と恐怖心が強く、その日の指導はあまり進まないまま、その日は受け持ち終了となってしまいました。数日経って、またAさんの受け持ちになると、自身でのキャップの付け替えが出来ており、発語も可能になっていました。経緯を聞いてみると「あなたと筆談じゃなく、ちゃんと会話をしたくて頑張ったのよ。またお話出来て嬉しい。」と仰って頂きました。Aさんを通じて、日々のコミュニケーション、信頼関係を築いていくことの大切さについて学びました。日々の何気ない会話でも、患者の行動意欲に繋がることもあるため、今後も積極的に患者とコミュニケーションを取っていきたいと思います。

バックナンバー

2025.01.10 日々のコミュニケーションの大切さ

2024.11.12 患者さんに寄り添うこと

2024.08.15 聞くという看護

2024.07.08 信頼関係を築く上で大切なこと

2024.06.11 産婦さんとの関わり

2024.01.11 足湯

2024.01.11 プリセプターからの教え

2023.12.01 術前訪問

2023.12.01 コロナ禍での看護

2023.10.30 患者さんから教えてもらったこと