新人が語る心に残る看護場面
2025.04.26 患者さんを知ること
Aさんは、突然の慣れない入院生活や次々に起こる転院や治療に対し、現状の把握が難しく不穏状態が続いていました。Aさんは近くにいる看護師に「寂しい。」と発言したり、帰宅願望を訴えたり、要求や不安を何度も大きな声で伝えていました。Aさんの話に軽く肩を触れたり、座っているAさんに対して、私は立ったまま声がけをしていました。気分転換のために病棟内を散歩したり、現状を伝えましたが、Aさんの不穏状態は続いていました。 私はどう対応したらAさんに安心してもらえるかわかりませんでした。消灯時間後、眠れないと訴えるAさんに対し、近くに座り、手を触れていると興奮状態であったAさんが入眠する様子がありました。そこでユマニチュードとAさんの生活背景を振り返ることにしました。Aさんが好きなドラマや本を見てもらったり、しっかりと目線をあわせ目を見つめる、しっかりと力をかけて触れながら話すといった事を実践すると不安や怒りを見せていたAさんの表情に少しずつですが笑顔が見られました。
Aさんを通してユマニチュードの実践を振り返り、患者さんの不安の除去や安心してもらえるような関わり方を見つけることができました。これからもユマニチュードの実践や患者さんの生活背景を知り、患者さんと向き合い関わりを大切にしていきたいと思いました。