新人が語る心に残る看護場面
2025.07.18 患者さんの不安への対応
入職してまもなく受け持ったAさんについてです。
Aさんは化学療法後、副作用による食事摂取量が低下し、高カロリー輸液を投与するため中心静脈カテーテルの挿入が必要になりました。Aさんは、これまで中心静脈カテーテルの挿入を何度も経験していましたが、不安を抱きながら「また、痛いかなあ。やりたくないな。やらなきゃいけないわねよね。」「あなたにこんなこと言っても困っちゃうわよね」と話されました。いざ中心静脈カテーテル挿入の処置が開始されると、Aさんは不安そうな表情をされており、Aさんの緊張が私にも伝わってきました。細かい処置の流れを勉強できていなかった私は、どのように声掛けをすれば良いのか分からず、Aさんの手を握ることしか出来ませんでした。無力感を抱きながら処置が終わり、Aさんを病室まで案内していると、Aさんが涙を浮かべながら、「あなたが手を握ってくれていたから、すごく安心出来たわ。何度もやってるのに、すごく緊張してしまってね。ありがとう」と話されました。
私はAさんを通じて、不安の緩和や信頼関係を築くことは、言語的なコミュニケーションだけではない事を学びました。今後も患者さん一人ひとりに寄り添った看護ができるように、適切な知識と対応ができる看護師になりたいと思いました。