私たちのめざす看護

私たちの看護

2016.12.07

その人らしい選択の為に

先日、60代後半の術後の方が、術後の補助療法の選択について迷っている と、私の看護外来に娘さんといらっしゃいました。 抗癌剤を受けた方が良いと医師には勧められたようですが、副作用や体力を考え たら自信がないと親子で悩んでいました。私は医師からの病状説明書を見直し、 どうして医師が抗癌剤を勧めたのか、その理由を一つ一つ患者さんと娘さんの3 人で確認していきました。1時間近く面談しましたが、その場で方針をどうする かは答えが出ませんでした。
その後、医師の再来日の診察前にお二人に確認したところ「何もせずに様子を みることにしました」と無治療の選択をしたと報告を受けました。私は、その返 事を看護外来での様子も含め、診察前に医師へ伝達しました。医師も再度患者家 族に説明確認を行い、今後は経過観察のみということになりました。私は、その 患者さんがしっかり考えた上での選択なので、そのお手伝いができてよかったと思いました。
看護外来に来てくださった方々から、「ここで話を聴いてもらえて、少し頭の整理ができました」といった言葉 をいただけることが私の励みです。年々乳がん患者さんが増える中、一人一人の患者さんに充分な時間がとれない ことが多くなってきました。しかし、患者さんはこの病院を頼って来てくださっているので、患者さんが安心して 通院・治療継続ができるよう、私たち看護師も乳がん看護に対する知識を深め、患者さんへのサポートを充実させ ていくことが大切だと思っています。

乳がん看護認定看護師 満松 恵

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