私たちのめざす看護

私たちの看護

2016.09.02

私たちの看護

A4西病棟は産科、婦人科、小児科病棟で構成されています。特に産科では毎 月約20~30名の新しい命が誕生しており、安全・安楽に出産を迎え、自信を 持って育児を行えるように妊婦さん、産婦さん、褥婦さんの看護を行っていま す。
妊娠から出産までの約10ヶ月間は新しい命を授かった大きな喜びもある反 面、妊娠に伴う体調不良や不安、痛みなどを抱えながらの生活になります。妊 娠、出産は病気ではありませんが、時には切迫早産、妊娠糖尿病などで長期間の 入院が必要になるケースや、緊急帝王切開、分娩時の大量出血など、それまで順調に経過していた妊婦さんでも突 然異常に転じてしまうことがあります。このように妊娠、分娩では常に何が起こるか分からないため、想像してい たマタニティライフや出産とは違うものになってしまうこともあります。そのためショックを受けてしまう方や自 分を責めてしまう産婦さんもいます。
このような経験からA4西病棟では、出産を終えた褥婦さん全員にバースレビューを実施しています。バースレ ビューとはお産を共にした助産師と分娩の振り返りを行うことです。バースレビューを実施することで、お産の時 に産婦さんが何を感じていたか、どのような処置が行われていたかなど分娩の経過と共に振り返ることができま す。私たちは、産婦さんの頑張りを認め、お産を肯定的にとらえられるように援助します。赤ちゃんの心拍数と陣 痛の状態を記録していたモニターの所見を一緒に見ながら、お産の振り返りを行ったこともありました。分娩直前 にはお母さんの陣痛に合わせて、赤ちゃんの心拍数も低下します。心拍数の低下は赤ちゃんも頑張っているサイン でもあります。レビューを行った褥婦さんから「実際のモニターを見て、私だけで無く、赤ちゃんも一緒に分娩を 乗り越えたことが分かりました。赤ちゃんに頑張ってくれてありがとう。と伝えたいです」という発言も聞かれ、 お産を肯定的にとらえることで児への愛着形成にも関わってくることを実感しました。また一緒に振り返ることで 助産師自身のケアの向上にもつなげることが出来ます。助産師は2つの命を預かるため、とても責任は重いです。 が、分娩後の幸せな家族の様子をみていると、とても嬉しく感じます。また、「次回もここで産みたいです」と言 って退院される方もいます。新しい命を迎えるお母さんとその家族が、笑顔になり喜びを感じてもらえるように助 産ケアを提供しています。

A4西病棟 小瀧加寿美

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