私たちのめざす看護

私たちの看護

2016.01.07

手術前プレパレーションンの取り組み

小児科病棟では0歳から15歳までの子どもたちが入院しています。疾患も多 岐にわたり小児内科だけでなく外科的疾患で入院する子どもたちも多くいます。 11 私たちは子どもたちが早期に回復できるように身体的ケアをするだけでなく、成 長過程にある子どもたちの心にも目を向けた関わりが重要だと考えています。そ の一つとして計画手術で入院された子ども・ご家族を対象にプレパレーションを 実施しています。 皆さんは、プレパレーションという言葉を知っていますか? プレパレーションは 手術や検査、治療などに子ども自身が主体的に取り組めるように、情報提供や疑似体験をして心の準備を援助する ことです。これにより子ども自身の潜在的に持っている力を引き出し、頑張れたという自信や自己肯定感につなげ ていくことを目的としています。また、医療の現場ではどうしても大人の意見が優先されがちですが子どもが大人 と同じように治療や看護に対する説明をうける権利もあります。 具体的な方法として、紙芝居や人形を用いた視覚的な方法と麻酔に用いるマスクや体温計・血圧計・SATモニタ ーなどの医療用具を実際に触れてもらう体験的な方法も取り入れています。子どもたちは実際にマスクを口にあて たり、血圧計を腕に巻いてみたり、遊びながら体験をしています。また、麻酔薬のにおいを子ども自身が決定する ことや、手術後の食事の形態を子どもたちと一緒に考えるなど子ども自らが治療に参加できるように関わりを持っ ています。
こうした手術前からの関わりにより、より具体的に不安や疑問の声も聴くことができ、以前より子どもたちの手 術後の混乱も少ないように感じます。また、ご家族からは「かわいい、子ども向けでわかりやすい」という感想を いただいています。
今後は低身長などの負荷試験で入院する子ども・ご家族を対象にパンフレットや人形を用いた検査前プレパレー ションを行っていく予定です。これからも子どもたちやご家族が安心して前向に入院生活を送れるように取り組ん でいきたいと考えています。

A1西病棟 古家香織

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