私たちのめざす看護
私たちの看護
2008.09.18
看護を語る
看護師になって9年目たくさんの患者様との出会いがありました。
今、私の働いているCCUは心不全の患者さまで挿管されている患者様が多くいる ところです。 挿管中は声が出せない状態になるためコミュニーケーションの重要なポイントは 表情になります。このAさんも何度も挿管を繰り返し状態は少しずつ悪化してい く傾向にありました。
ある夜勤でのことでした。Aさんは私を呼び、傍に行った私に唇で もうおわ り と訴えるのです「何が終わりなの」と聞くと 命、終わりと笑顔で唇を動 かしました。「どうしてここまでよくなったのに、家族の人が悲しみますよ も う頑張れない?」 こんな私の言葉に 終わり とだけ答えて私をじっと見ていました。 私は「そんなこといわないで」としかいえませんでした。
一所懸命がんばっている患者様にこれ以上頑張れとはいえません。一緒に頑張ろうも押し付けになるしそんなこと を考えながら、私はAさんに「すこし傍にいましょうか」というとわらって手を強く握り返してくれました。 このとき感じた手の力と暖かさは、それまで何かしてあげなければと考えていた私の気持ちを軽くさせるものでし た。 病棟師長談 これは先日の病棟会で発表した一部です。皆が聞き入るとはこのことを言うと実感したもので す。「何の言葉もいらない、そばにいるだけでいいよ」とAさんは言っていたのではないでしょうか。 「少し傍 にいましょうか」私はこんなことばを患者様にいえるスタッフがいることを誇りに思います。
CCU看護師
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