私たちのめざす看護

私たちの看護

2011.12.09

外来看護のやりがい ~たくさんのありがとうをもらって~

外来に勤務し初めたころ、外来看護師の役割は受診された患者様に、その都度状 況に応じて対応していくものだと考えていました。
しかし、実際に業務を行っていく中で、それは違うということに気付きました。 一回の受診では、数十分の診察を受けて帰宅されるので、短時間の関わりになり ます。その短時間の関わりを一ヶ月、半年と積み重ねることにより、特別な信頼 関係を築けるということに気付きました。
ある患者様は毎週、採血と注射に来院されます。 採血結果を医師から話されると、その後は看護師とのやり取りになります。 そのやり取りはその日の体調や天候、ニュースやスポーツまで様々です。会話の中では、患者様に次の来院日まで 必ず守っていただきたいことや注意点を入れて話します。繰り返し話し、外来をあとにするまで伝えます。最後に は“わかったよ。来週また来るから。じゃあね、ありがとう”と言い、帰宅されます。いつも、笑顔を絶やさないそ の患者様は後期高齢者で一人暮らしの方です。来週また来ると言ってもらい、必ず来院してもらえるような関わり をする事、帰宅後の一週間を一人で頑張れる糧になるように関わる事が大切なのだと考えます。毎週毎週同じ関わ りでも、この患者様は今も必ず来院され、“笑顔”と“ありがとう”という言葉を私に向けてくれます。
病院に通院することは、患者様の生活の一部です。私自身がその生活の一部に関わっていることに、とても責任を 感じます。病と共に生きている患者様とご家族の気持ちに思いを寄せ、様々な価値観を尊重しながら関係性を築 き、日々の看護を振り返ることで病棟とはまた違ったやりがいを感じて、とても充実しています。

第三外来 伊山美穂

私たちの看護 最近の記事