私たちのめざす看護
私たちの看護
2016.10.13
患者さんの代弁者となれるように
手術は多くの方にとって一生に一度あるかどうかという大きな転換期だと考えます。
私たち手術室看護師は、手術医療を選択し、手術や麻酔という未知のものに対し ての不安を持たれている患者さんの気持ちを少しでも和らげることができるよう に、約3年前より術前訪問を再開しています。大切な人たちと離れて一人で手術 に臨む患者さんの想いを聴き、意識の無い手術中は代弁者となれるように関わる ことも、手術室看護師の役割です。 侵襲の大きな長時間の手術を受けられる方の術前訪問に伺った時のことです。患者さんの枕元にお守りが吊り下げ てありました。「もしご希望でしたら手術中、お守りを枕元に置きましょうか?」との申し出に、患者さんの表情 が和らぎました。手術は一度延期になってしまいましたが、再度手術が決定した際に再び伺うと、私の顔を覚えて いてくれており、「これも一緒に頼むよ」と大切なお守りを託して頂きました。 私たちは病棟の看護師と異なり、患者さんと会話する機会や術後日々回復されていく姿を拝見することは多くあり ません。しかし術前訪問時に患者様の手術に対しての想いを知り、当日の手術を担当し、術後ふと廊下で元気な姿 を拝見できたりすることが、何よりも嬉しいことです。 私は認定看護師として院内のスタッフに向けて、手術や麻酔後の看護の勉強会や、術後の看護に活かしてもらうた め、手術中患者さんがどのような体位で手術を受けているかの体験型勉強会を開催しています。今後も術前から術 後を繋ぐ手術室看護師として、病棟看護師、他職種の方との連携をはかりより安全な手術看護を提供できるように 活動していきたいと思っています。
手術看護認定看護師 佐伯 智之
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