私たちのめざす看護
私たちの看護
2018.03.13
患者さんの想いに寄り添う退院支援
総合相談支援センターでは、MSW、看護師が退院支援業務を担っていました が、今年度よりあらたに、退院支援専従看護師が配置されました。
「病気」「入院」という予期せぬ出来事に遭遇した患者さんとご家族は、これ までの暮らし方をかえなければならない決断を迫られることがあります。 入院治療によりこれまでの健康状態ではなくなり、今までの生活が続けられる か、生活をどのように変えていけばよいのか、今後どこで療養を継続すればよい のかと様々なことに悩まれます。退院支援看護師は、この漠然とした不安や心配 事に対し、現在の病状を抱えながら生活するために必要な知識や技術を伝え、患者さんとご家族が新しい暮らし方 を見つけ出してゆくプロセスを支援していきます。
私が担当する病棟は、悪性腫瘍の患者さんが多く入院されています。 悪性腫瘍の患者さんは退院後も医療の継続が必要であったり、終末期の場合は「家に帰る」タイミングを選ぶこと が必要であり、とても難しい支援です。
肺がん末期の患者さんの療養先意思決定に介入したケースがありました。時間で変化していく患者さんをみて、 ご家族はどうしたらよいのかと日々悩まれていました。意識が混濁してゆく中、患者さんに「私がお力になれる事 はありますか?」と聞いたところ、「家の天井が見たい」と答えてくださいました。ご家族も一緒に聞いていたこ の言葉をきっかけに、家族、病棟スタッフ、在宅医療者が一丸となり、患者さんの思いを叶えるために奮闘し、そ の結果、次の日には自宅へ退院することができました。退院時「色々とありがとう」としっかりとした口調で帰ら れる患者さんの姿がとても印象的でした。 今後も患者さんとご家族の想いに寄り添いながら前に進む一歩を支援していきたいと思います。
退院支援看護師 谷合恵
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