私たちのめざす看護
私たちの看護
2019.02.21
眼科病棟との連携 A氏を通して
私は週に1回 「糖尿病看護外来」を行っています。看護外来の98%の患者さん はフットケアを目的に来院しています。患者さんのなかには他の疾患で入院した 際に、爪を観察した病棟看護師からコンサルテーションを受け、それ以降外来通 院している患者さんも数名います。
眼科で入院した時フットケアのために糖尿病外来を紹介され、5年経過した今 も通院しているAさんを紹介します。
Aさんは50代の男性、一人暮らしで糖尿病性網膜症のため視力がほとんどあ りません。また、糖尿病性腎症の3期で、そろそろ透析の準備も必要であること を医師から説明されていました。
眼科の手術を受けるために入院した際、ある一人の看護師が清拭の時足の爪が伸びているのを発見し、私に連絡 がありました。訪室すると、すべての爪が伸び、靴や靴下の圧力でカーブし指の腹に刺さっている状況でした。患 者さんは「目が見えないからここ数年爪を切っていない」と話されました。爪を切ると一部の爪は皮膚に食い込み 化膿している箇所も認めました。それでも患者さんは痛みを訴えません。すべての爪切りを行い、眼科病棟の看護 師が入院中毎日足浴し足の観察をしてくれました。
退院して5年経過しましたが、患者さんは自分の足で今でも外来に通院されており、腎機能も悪化していませ ん。患者さんは、「腎臓も悪いしもうすぐ透析だって思っていたけど、看護師さんが毎日足を丁寧に洗ってくれて 足を大事にしてくれた。自分でもできることがあるのではないかと思って、食事療法を頑張っている」と話してく れました。
あの時看護師が足の観察をしていなければ、患者さんは足を切断していたかもしれません。又透析も導入してい たかもしれません。看護師がリスクのある足に気付き介入することが、患者さんの病気に対する考えや、人生まで 変えることが出来ると改めて感じることができました。糖尿病の患者さんはどこの病棟にもいます。一人でも多く の看護師が、足の状態を観察し、患者さんのセルフケアにつながるような取り組みができるように、これからも取 り組んでいきたいと思います。
糖尿病看護認定 松尾 美穂
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