私たちのめざす看護
私たちの看護
2021.02.01
患者に寄り添える看護をめざして
私が所属する第4外来は、腎臓病センター、乳腺科、外来化学療法センターがあります。
なかでも、腎臓病センターでは、慢性腎臓病(CKD)に対して血液透析・腹膜透析・腎臓移植など幅広い治療が行われています。
当院での腹膜透析患者は、約60人おり、月に1、2回のペースで外来受診があります。外来では、腹膜透析が適切に行われているか、除水はできているか、出口部(腹膜透析のチューブが入っている部分のトラブル)はないか確認していきます。出口部トラブルなどがあった場合は、看護師がチューブの固定状況や、生活状況を確認し、セルフケア指導を行っています。
外来では、毎回同じ患者さんに関われる機会は少ないのですが、私はAさんに、腹膜透析の導入前後で何度も関わることができました。Aさんは、導入することをなかなか受容することができず、「診察は受けるけど、看護師さんからの透析の説明は、今日はまだいい。次回にしてほしい。」と言って、拒否されていました。腹膜透析は、セルフケアも含めた自己管理が重要です。私は、果たしてAさんは腹膜透析ができるのだろうかと心配していました。しかし、徐々に腎機能が低下し、「透析導入が必要」と医師から説明があった時から心を決め、拒否することはなくなりました。
Aさんに、先日、腹膜透析に関する検査説明をした時に、「最初はやりたくなかったけど、これだけ毎日やっているから慣れた。今回の検査は、いつものやり方と違うでしょ。間違うのが心配だから、奥さんにも協力してもらうようにする。大丈夫。」と、前向きな発言を聞いて、嬉しく思いました。
透析を始めたら一生必要となります。患者は導入を決断するまで悩み、腹膜透析を始めてからも、感染の心配や、自己管理についての心配、様々な悩みをもつことが考えられます。医師と看護師、退院後であれば病棟と外来との連携、また患者の自宅での状況によっては、多職種や地域との連携が必要になります。外来看護は、その短時間の中で、いかに患者およびその背景や周囲の状況をキャッチできるかが重要だと考えます。私はその一瞬を大事に患者に寄り添える看護がしたいと思います。
第4外来 安田麻理子
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