私たちのめざす看護

私たちの看護

2021.03.04

感染対策の基本は手指衛生!

私は感染管理認定看護師という立場で、感染対策チームの一員として働いています。感染対策チームは、患者さん達が、入院中に病原性微生物の脅威に晒される事が無く、安全で安心な環境で入院生活を過ごしていただく事を目指して活動しています。病原性微生物は目に見えないため、病原性微生物の性質を知り、動きを予測して、患者さん達に辿り着くまでの経路(感染経路)を遮断する事が肝要です。幸いな事に、病原性微生物には自由に動き回るための足や羽はありません。好き勝手に動き回り、人から人へ移動する事はないのです。昨年から世界的に流行してしまっている新型コロナウィルスの様に、咳や会話などで、一定の範囲まで飛散する病原性微生物もありますが、自らの意思(?)でトコトコ移動する病原性微生物はいないのです。したがって、制御しなければならないのは、見えない病原性微生物自体では無く、目に見える人の行動となります。

今、病院で働くスタッフや、入院している患者さんは、全員マスクをしています。マスクをする事により、咳や会話で病原性微生物が飛散して移動する事を防止できます。しかし、病原性微生物は咳や会話によってだけでなく、人の手に付着しても移動します。したがって、院内で働くスタッフ達の手を清潔に保つ事が、患者さん達の安全、安心を確保するために非常に重要な事となります。そして、患者さんに安心してもらえる清潔な手を準備するのに最も重要な事は、スタッフ達が適切なタイミングで、手をアルコール消毒する事なのです。全スタッフが常に、適切なタイミングで手を消毒するために、私たちはスタッフ達の行動を監視し、使用しているアルコール消毒薬の量を計量し、個人毎に指導を重ねています。スタッフ達には、就職時から、プロフェッショナルとしての手の消毒方法を厳重に指導しています。

私たちが目指しているのは、八王子医療センターのスタッフ達の手が、患者さん達に触れる前に、常に清潔になり、世界中のどの医療施設よりも、安全で安心な入院環境を提供し続ける事です。そのために、私たちは日々創意工夫を重ね、全てのスタッフ達に働きかけ続けています。見えない病原性微生物を相手にするこの活動に、ゴールはありませんが、現在八王子医療センターで働いているスタッフ達の手はとても清潔だと確信しています!

感染管理認定看護師 波多野 塁

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