私たちのめざす看護
私たちの看護
2023.03.28
「認知症の人」としての患者の看護
認知症は、さまざまな原因で記憶や思考などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態と定義されています。
認知症の人は、慣れ親しんだ自宅や家族の支えなど、安心できる環境が整っていることで、日常生活を送ることができています。しかし、治療や検査で入院となると、普段とは全く違う環境で過ごすことになり、不安や恐怖感が強くなります。また、自身の思いなどを上手く言葉にして伝えることが難しくなります。そのため、知らない人に触れて欲しくない、家族に会いたいなどの思いはあっても言葉にすることが難しいため、ケアをする時に怒って拒否をする、一人で歩き出そうとする、といった行動として表します。
認知症看護では、そのような認知症の人の行動の意味や理由に目を向けて、その人らしさを大切にした、コミュニケーションに重点をおいたケアをしていきます。
その人らしさを大切にした看護を行うためには、その人を知ることから始まります。認知症の人に合わせた方法でコミュニケーションをとり、本人や家族などから今までの生活史を教えて頂くことで、認知症の人が安心して入院生活を過ごせる看護に繋げることができます。
高齢化に伴い、当院でも年々、認知症と診断されている方や、認知機能が低下している方が入院されることが多くなっています。そのため当院では、2021年に医師、看護師、社会福祉士、薬剤師からなる認知症ケアチームを立ち上げ、週1回病棟ラウンドを行っています。ラウンドでは、病棟スタッフとカンファレンスを行い、認知症の人のその人らしさを大切にしながら、安心して入院生活が送れるようにケアの提案をしています。
また、認知症看護認定看護師として、スタッフでは対応が困難な場合、認知症の人の思いを代弁し、ケアに繋げられるように日々活動をしています。
認知症看護認定看護師 横関有美
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