私たちのめざす看護

2023.10.27

皮膚・排泄ケア認定看護師の活動　褥瘡対策の取り組み

皮膚・排泄ケア認定看護師は主に、傷や床ずれなどの「創傷ケア」、人工肛門（ストーマ）のケアの「オストミーケア」、尿失禁や便失禁に伴うおむつの選択やスキンケアの「失禁ケア」に対して専門的な役割を果たす看護師です。現在は褥瘡管理者、褥瘡対策の中心的役割を担っています。

褥瘡とは、一般的には「床ずれ」といわれています。組織の血流障害によって発生し、全身的な要因から局所的な要因、生活背景など原因はさまざまです。褥瘡は発生しないようにするための「予防」が重要です。褥瘡予防の研修を受けた看護師が褥瘡対策チームの一員として各病棟に配置され、病棟の患者さんの褥瘡予防に活動してくれています。褥瘡予防に欠かせない体位変換や褥瘡予防マットの選択などベッドサイドにいる看護師たちの力がとても大きいことを日々感じています。

それでも体調がすぐれない方の中には褥瘡ができてしまう方がおり、そんな時に褥瘡回診チームとして病棟の対策チームと一緒にケア方法を検討します。回診チームは形成外科医・皮膚科の医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、事務職員と多種職によって構成され治療や予防についての助言や対策チームとのカンファレンスなど最善のケアが行われるように活動しています。

多くの関連職種が患者さんの状態を考えてかかわることができること、専門的で適切なケアが行えるような環境づくりをしていくのも認定看護師の役割と考えています。目標は褥瘡の発生予防のためのスキンケアの充実や、適切な体位変換やポジショニングを行えることです。褥瘡の発生を最小限に抑え、患者さんが安心して入院生活が送れるような環境を作っていきたいと考えています。

皮膚・排泄ケア認定看護師　土田 学