私たちのめざす看護
私たちの看護
2025.06.02
ユマニチュードの看護

B3東病棟は腎臓内科・腎臓外科を中心とする病棟です。腎臓病の発症早期から末期腎不全に至るまで幅広い病態の診療を行っており、末期腎不全における腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)全てへの対応が可能です。患者さんが人生の中で何を大事に生活しているのか、これからの人生をどのように過ごしていきたいのか話を聞きながら看護師は患者さんの意思決定を支援しています。
入院している患者さんは、加齢に伴う認知機能の低下や認知症の診断を受けている方も多く、入院に伴う環境変化や検査・治療が大きなストレスとなって、入院中に認知機能障害が進行したり、せん妄が起こる可能性もあります。私たちの病棟はその症状が尿毒症によるものか、せん妄によるものかを見極める能力も必要になります。
B3東病棟では、認知症の有無に関わらず患者様の入院に伴う不安や緊張を軽減し、安心したケアを受けられるよう『ユマニチュード』を取り入れた看護実践に取り組んでいます。「あなたのことを大切に思っています」という想いを伝える技術によってケアの土台となる関係性を築き、個々の患者さんの状態に合わせて身体・認知機能の回復や維持、寄り添うケアを行うよう努めています。日常的な何気ないケアの場面ですが、3回ノックによる出会いの準備に始まり、患者さんとしっかり目線を合わせて瞳をとらえる、前向きな言葉を選びケアの場に言葉をあふれさせる、思いやりや温かさを伝える触れ方をする、立つためのケアを意識する、という技術を用いた関わりを繰り返し行うことで、患者さんの不安や緊張を和らげ治療やケアに対する前向きな反応を引き出します。覚醒レベルが上がりしっかりと目を開いた患者さんの表情や言葉、ケアに対する好意的な反応など、患者様の前向きな変化は私たち看護師にとってとても嬉しく、それだけで仕事のやりがいにも繋がるものです。
先日、退院された患者さんから病棟へ感謝のお手紙を頂きました。この方は認知機能の低下や認知症を持つ方ではありませんが、お手紙の中には「穏やかで気持ちのいいオーラがある病院」という言葉があり、私たちの関わりをそのように感じて頂けたことにとても嬉しく思いました。これからも患者さんやご家族にとって非日常である入院生活が少しでも安心できる環境となるように、そして大切な方とのこれからの生活を続けて頂けるように、私たちにできることを考え取り組んでいきたいと思います。
B3東病棟 本原 愛
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