私たちのめざす看護

私たちの看護

2025.08.18

救急外来からはじまる看護

私たちの部署は、救急外来・放射線部・救命病棟の3領域を担っています。救急搬送された患者さんの初療受け入れ、検査・治療、その後の救命病棟入院という継続的な看護を行っています。

救急外来は八王子市内唯一の3次救急病院として、救急車だけでなく消防ヘリ、ドクターヘリなどで多くの重症患者さんを受け入れています。また当院は高尾にあり、近隣県に近いので神奈川県相模原市や山梨県からの救急搬送も受け入れています。8月からはドクターカーも開始し、医師・救急救命士が病院から直接現場に出動し病院前診療も行われています。

看護師は幅広い知識が求められ、刻々と変わる状況に合わせて医師・救急救命士など多職種と協力しながら治療・処置の介助を行っています。どの場面も1分1秒を争いとても緊張感が走りますが、そのような状況でも多職種間でコミュニケーションを活発に行い冷静で柔軟な対応ができるよう努めています。

先日、救急搬送され入院を勧められましたが、本人の強い希望で帰宅された患者さんがいました。その後、ご本人から治療に関する問い合わせがあり、帰宅時にお渡ししていた内服薬を内服していないことがわかりました。身寄りがなく独居の方でしたので、急遽、医師、看護師、救急救命士でカンファレンスを行い、緊急に介入すべきだと話し合いました。ご本人に受診の意思を確認し、これまでの生活状況を伺い、ソーシャルワーカーの介入が必要と考え連携しました。翌日の受診時には、ソーシャルワーカーが面談し、面談内容を市のケースワーカーと共有し引き継ぐことができました。その後、患者さんは内服薬が開始され、かかりつけ医の受診も忘れずに治療を継続することができているそうです。

救急外来では重症の方はもちろん、さまざまな背景を持つ方が搬送されます。身体的治療が優先されますが、それだけではなく患者さんの問題をさまざまな角度から捉え、多職種と協働し速やかに介入することが必要だと思っています。

現在「2040年問題」が叫ばれています。さらに高齢化社会は進み、複数の病気を抱えた方、複雑な社会背景・課題を抱えた方が多く搬送されることが予想されます。私たちは一人一人の患者さんと向き合い、患者さん・ご家族の望む治療・看護が受けられるよう、サポートしていきたいと思います。

 

救急外来看護師  沼山・上野

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