新人が語る心に残る看護場面
2018.06.01 私のことを覚えてもらって
少しずつ一人でできることが増え、喜びを感じながらも、先輩の手が離れてしまう不安がたくさんあったときのことです。
ある夜勤の日、患者さん一人一人に挨拶をしていたときのことです。Aさんのところへ行くと、Aさんのご家族が面会にいらしていました。ご家族の方には一度くらいしかお会いしたことはありませんでしたが、ご挨拶したときAさんが「○○さん(私)には良くしてもらっているんだよ。」と言うと、ご家族の方が「うん。この方のことは覚えていますよ。看護師さん、沢山いらっしゃるから名前はなかなか覚えられないですけど、○○さんのことはしっかり顔を覚えていますよ。とても優しい方ですね。いつもありがとうございます。」と笑顔で言って下さいました。
私はこの時『私なんて何人もいる看護師の一人で、こんなに出来ることの少ない新人の私のことを覚えてもらえているなんてとても嬉しいことだなあ。』と感じました。そしてAさんとそのご家族の言葉があって、私は看護師になって良かったと思いました。
私の出来ることはまだまだ少ないですが、そんな私でも患者さんから感謝されることがあるのだと感じました。それを励みに、今私が出来ることを精一杯がんばろう、小さな事だとしても自分なりに患者さんのためになることがあると考えて、患者さんやその家族に向き合っていきたいと思いました。