新人が語る心に残る看護場面
2018.10.05 痛みの原因
私が独り立ちをして初めての夜勤の時のことです。「腰が痛いよ。足も痛いよ。」と訴え、頻回にナースコールを押しているAさんの受け持ちでした。AさんはADLが低下しておりベッド上でねたきりの状態です。体位交換は1時間ごとに行い、鎮静作用のある薬剤を使用していましたが疼痛で入眠できていませんでした。Aさんは腎機能が低下しているので鎮痛薬も使えず、慣れない夜勤業務をこなすことで精一杯の私は“他にやれることはないのか”考える余裕もありませんでした。
またナースコールが鳴り、今度は先輩も一緒に来てくれました。先輩は痛みのある部位を温め、さすりました。するとAさんの痛みが和らぎ、声を上げることもなく、落ち着いた様子でした。その後先輩に「痛み止めを使えなくても看護として痛みを和らげる方法はたくさんあるよ。この患者さんの痛みの原因がどこにあるのか考え、どんな看護が必要か考えることが大切だね。」と教えてもらいました。私は業務に精一杯でAさんが今一番必要としている看護を考えることができていなかったということに気づきました。
最近は少しずつ業務にも慣れてきました。患者さんの思いをくみ取り、個別性のある看護を実践していきたいと感じた看護場面でした。