新人が語る心に残る看護場面
2018.10.05 調整役
Aさんは病状回復が遅れ、入院が長引いてしまいストレスがたまっている様子でした。検査がない週末などは自宅へ外出したりしていましたが、平日は病棟内を歩行練習し過ごしていました。
ある受け持ちの日、Aさんから「散歩に行きたい」とお話がありました。私は忙しかったのですが、『フリー業務の看護師にお願いできるかな?』と思い、院内遊歩道の散歩を提案しました。その後、フリーの看護師とAさんは散歩に行き「気分転換できた」と喜んでいました。私は散歩の調整をしただけで、ご一緒したわけではありませんでしたがAさんは「散歩できた」ことが本当に嬉しかったようで、ご家族にも私の話をされたそうです。
それから数日後、Aさんの退院が決まりました。退院のお見送りの時、散歩の調整について「自分のやりたいことを叶えようとやってくれたことが一番嬉しかった。」とAさん。
新人で何もできない自分ですが、ちょっとしたことが患者さんの心に残るのだと驚いたと同時に、調整役として役に立つことがあるのだと、ほっこりした気持ちになりました。