新人が語る心に残る看護場面
2018.11.06 1日中幸せでいたいなら
ある日の朝、Aさんのところへ挨拶に行き、「今日もお体拭きしましょうか?」と声をかけると、いつものように「お願いします」とAさん。その日は清拭しましたが、Aさんがずっと入浴できていないので、先輩にシャワー浴など出来ないか相談しました。病状を医師に確認し、ADLも上がってきたので一部介助でのシャワー浴の許可が出ました。
次の日の朝、「体拭きしましょうか?」ではなく「シャワーに入りませんか?」と声をかけました。Aさんは「入っていいんですか?お願いします。」とおっしゃいました。Aさんに自分で出来るところはやってもらいながら、私は背中を洗うのをお手伝いしました。Aさんは「いや~、気持ちいいです。1日幸せでいたいならお風呂に入りなさい。1週間幸せでいたいなら床屋に行きなさい。一生幸せでいたいなら・・・、何か分かりますか?それは内緒です。」と笑顔で色んな話をしてくれました。シャワー浴をとても喜んでいただき、その後訪室するたびに「気持ちよかった、ありがとう」とAさん。出来るだけADLや清潔ケアも患者さんが家で過ごしていたときと同じように近づけていかなければと思いました。患者さん本人から伝えられない時もあり、こちらからの声かけが大切だと言うことも分かりました。
後日、自分で「1日中幸せでいたいなら・・・」をことわざで調べました。Aさんのとは少し違い、お風呂のことはありませんでしたが、患者さんがその時に幸せを感じてもらえたことがとても嬉しかったです。