新人が語る心に残る看護場面
2018.12.04 一動作一声かけ
入職して間もなくのことです。プリセプターの先輩とAさんを受け持ちました。Aさんの意識レベルはJCSでⅢケタの、声かけしても反応がない状態でした。今まで看護学生として実習していたときは、患者さんと会話でき、その中から情報収集をしていくのが楽しく、また難しくもある看護技術でした。現在、私が所属している救命病棟では意識レベルが低い患者さんは珍しくありませんが、4月から看護になったばかりの私にとっては、なかなか厳しいものを感じていました。
学生の時から「一動作一声かけ」と教わってきたので、患者さんに何かするときは必ず声かけをする習慣がついていました。Aさんからは何の反応もありませんでしたが、バイタルサインをとるときも「お胸の音を聞かせてください。」「お熱計りますね。」「ありがとうございました。」と声をしていました。
ある時、いつも通りにAさんに接していると、ご家族の方から「そんなに丁寧に面倒見てくださって、ありがとうございます。」とお礼を言っていただきました。私自身、仕事のことで落ち込んでいるときでしたので、とても嬉しかったです。私にとって当たり前であることをご家族の方に感謝していただき、とても印象に残りました。これからも声かけと丁寧さを大切に患者さんと関わっていきたいと思いました。