新人が語る心に残る看護場面
2019.10.17 コミュニケーション
Aさんはがん末期の患者さまで、緩和ケアを実施していました。Aさんは看護師によって説明内容が少しでも違っていたり、レスキュー薬の配薬が少しでも遅くなってしまったりすると声を荒げることがありました。私も何度かAさんに対して対応が遅くなったり、説明が上手にできずに気分を害させてしまったりすることがありました。正直、私はAさんのことが苦手で「あまり関わりたくないな」と思ってしまうこともありました。
ある日、Aさんの保清をしていた時、Aさんが若い頃の話や趣味などの話をたくさんしました。Aさんは楽しそうに笑顔で話されていて、私はその表情を見てとても嬉しくなりました。その反面「今は体がね…。いつ死ぬかわからないよね。」と発言もされて、私は「死と直面しながら毎日を過ごしていて、不安や恐怖と常に一緒なんだな」と思うととても辛く、Aさんの言葉に何も返すことができませんでした。
私は半年の看護師経験ですが、たくさんの患者さんと関わってきました。患者さまも様々な方がいて、関わることが難しい方もいます。ですが患者さまの立場になり、その思いを傾聴し患者さんを理解することが大切だと思いました。