新人が語る心に残る看護場面
2019.11.29 悔しさをバネに
ある日ナースコールが鳴り、その方の部屋へ向かうと、先輩が「急変です!」と言いました。私は研修で急変時の対応を学んでいましたが、実際に急変している場面を経験したのは初めてで、頭が真っ白になってしまいました。その間にも、患者さんのご家族は「さっきまでここにいたのに、どうして電話がつながらないの!?ねぇ、出てよ!」と泣き叫びながら、必死に一緒に面会に来ていた他のご家族へ連絡を取ろうとしています。私はその様子を見て、心が苦しくなり泣きそうになりました。ですが「私が泣いている場合ではない。自分にできることを何かしないと。」と思いました。「救急カートを取りに行って、もっと他の看護師へ応援を呼ばなければ」など頭にはたくさんのことが浮かんできますが、とっさ体は動けません。先輩の指示に従って、行動することに精いっぱいです。
私は研修で学んでも実際に自分から行動できなかったことに、悔しさを感じました。急変は数分の出来事ですが、次に急変対応するときには自分からすぐに行動できるようになりたい、私はもっと成長しなければならないと強く思いました。