新人が語る心に残る看護場面
2020.01.23 2度目の入院
入職して半年が経ち、少しずつ業務にも慣れてきたころのことです。つい1週間前に退院したAくんが、同じ疾患で再入院することになり、私が入院の受け入れの担当になりました。Aくんのお母さんは表情も硬く、「1週間前に退院したばかりなのに、また同じ病気になってしまいました。家に帰った後もどのようなことに気をつければいいのかわかりません。何が原因でまた入院になったんですか。」と焦るように質問されました。私はAくんのお母さんは、自分の子供が2度目の入院であり、また同じ疾患で再度入院になってしまったため不安が大きいのだと感じ、不安な気持ちを少しでも取り除いてあげたいと思いました。私は学んだ知識を用いて治療や看護、経過について話をしました。すると「確かに家ではこうしていました。それも原因の一つだったんですね。これから良くなって退院したら、その方法も試してみます。」と少しずつ笑顔がみられるようになりました。
翌日からも、お母さんが面会に来た時にはAくんの様子を丁寧に説明し、質問があったときはわかりやすく伝えるようにしました。そして退院前日、私はAくんの受け持ちでした。そのとき「いつも子供の様子を細かく教えてくれてありがとうございました。連絡ノートでも夜間の様子が書いてあって安心しました。この連絡ノートを持って帰ってもいいですか?」とおっしゃって下さいました。その言葉を聞いて、患者さんの看護も大切ですが、その家族の精神的なケアも大切であると思いました。今後さらに患者とその家族の気持ちに寄り添った看護を提供していきたいと思います。