新人が語る心に残る看護場面
2020.04.09 患者さんの言葉
私が看護師になって間もない頃の出来事です。Aさんは大動脈弁の手術をするために、入院していました。Aさんの手術当日まで、何度か受け持ちました。そして手術当日も受け持つことになりました。その時私は手術出しをすることに慣れておらず、とても緊張していました。Aさんも普段はとてもにこやかに話をされる方でしたが、当日はとても緊張している様子でした。手術室へ行くまでの間、少しでも緊張がほぐれるように他愛のない話をしました。手術室へ入室し申し送りを終え、退室するときにAさんへ「手術頑張ってください。病棟で待っていますね。」と声をかけました。2日後、Aさんは無事手術を終えてICUから病棟へ戻ってきました。すぐにAさんのもとへ行くと、「ただいま帰ってきました。またよろしくお願いね。」と声をかけられました。その後、順調に回復し無事に退院の日を迎えることができました。退院当日、私が書類などの説明を行うと「寂しくなるわね。でもあなたのおかげで、ここまで元気になれたので家に帰っても頑張ります。これからもお仕事大変だとは思うけど、あなたも頑張ってね。」と私に声をかけて退院されました。
まだ右も左もわからないときに、Aさんからこの言葉をもらい、これから看護師として頑張ろうと思った出来事でした。