新人が語る心に残る看護場面
2020.05.22 気分転換
Bさんはがん性疼痛が強く、疼痛コントロール目的で入院されている方でした。疼痛のため、トイレ・洗面以外はベッド上に臥床して過ごすことが多く、座位や左側臥位、立位になると疼痛が増強してしまう状況でした。右側臥位が一番疼痛が和らぎ、Bさんにとって安楽な体勢となっていました。
ある日、屯用の鎮痛剤を4時間ごとに内服してもあまり効果が得られず、疼痛が続いていた時のことです。私は少しでも安楽に過ごしてもらいたいと思い、Bさん足浴を提案し実施することにしました。体勢はBさんが楽な右側臥位で行いました。石鹸で足を洗い、マッサージをすると「あぁ、気持ちいいですね。最高です。ポカポカしてきました。これなら背中の痛みも辛くないですね。」とおっしゃってくださいました。硬かった表情だったのですが、笑顔が見られるようになったのです。
患者さんの状態は日々変化しています。Bさんのように痛みがなかなか軽減せず、苦痛により日常生活が制限され、気分転換の機会も少なくなってしまうこともあります。患者さんが少しでも気分転換を図れるように看護師がケアを提案すること、そして患者さんの意思を尊重しながら関わることの大切さを学ぶことができました。一人一人の患者さんに合ったケアが提供できるよう、寄り添っていきたいと思います。