新人が語る心に残る看護場面
2021.06.10 患者さんと向き合う
日勤ひとり立ちしたばかりの時に受け持ったAさんとの話です。私は以前にもAさんを何回か受け持たせていただきました。その時の印象は少々怒り気味であるような発言があり、受け持つときには緊張し自分の発言に細心の注意を払っていました。
ある日、最初は足浴することに抵抗があったAさんを説得し、足浴を実施しました。足浴中にAさんと話しをしていると「怒り気味になっていたのは、少し寂しい気持ちがあったから」とおっしゃり、ご家族となかなか会うことのできない現状に対して、ストレスがたまっていることがわかりました。その翌日もAさんを受け持たせていただくことになり、Aさんとお話しするのに緊張していました。しかしAさんの方から「昨日はありがとう。今日もよろしくね。」と声をかけていただきました。そして「明日は退院なんだ。明日もいるの?」と尋ねられました。私が明日は勤務の都合で出勤しないことを伝えると、涙ぐんで「救命病棟の看護師さんは、みんな忙しそうで話を聞いてくれないと思っていた。あなたと話をしていたら元気な気持ちになれたの。ありがとう。」とおっしゃってくださいました。
Aさんとの関わりを通して、忙しい中でも関わり方1つで患者さんの気持ちを動かすことができるのだとわかりました。今後も忙しい中でも、きちんと患者さんと向き合う時間を作りたいと思いました。