新人が語る心に残る看護場面

2021.07.07 気持ちに寄り添うということ

脊髄損傷で入院されたAさんの話です。Aさんは首と指先しか動かせない状態でした。そのためナースコールが押せないので、ボイスコールをベッドサイドに設置し対応していました。Aさんからのナースコールは1530分おきに1回、時には10分おきにありました。多重課題に追われていた私は、徐々にAさんへの対応が雑になっていってしまいました。

そんな時、先輩から「なんでナースコールが頻回なのか考えたことある?今まで自由に体を動かしていた人が、いきなり体が動かせなくなるってどんな気持ちかな?Aさんの立場になって考えてみようか。」とアドバイスをいただきました。さらにAさん自身からもこんな言葉がありました。「このナースコールは命綱なんだよ。誰も俺のことに気付いてくれなかったら、俺は生きていけないんだよ。もっと俺のことを気にかけてくれ。」

それから私はナースコールが鳴らなくてもこまめに様子を確認しに行き、「体勢は大丈夫ですか?」「ナースコールの位置はこれでよろしいですか?」と声をかけるようにしました。そうすると、私自身もAさんに対して負の感情を抱くこともなくなりました。Aさんからも「ありがとう。明日もよろしくね。」と声をかけていただけるようになりました。

「患者さんの気持ちに寄り添う」という看護師としてとても大切なマインドが、自分に欠けていることを再認識し、反省することができた貴重な体験でした。

バックナンバー

2024.06.11 産婦さんとの関わり

2024.01.11 足湯

2024.01.11 プリセプターからの教え

2023.12.01 術前訪問

2023.12.01 コロナ禍での看護

2023.10.30 患者さんから教えてもらったこと

2023.10.30 患者さんの望みを尊重した関わり

2023.08.17 苦痛を軽減するために

2023.08.17 生きがいの大切さ

2023.08.17 ユマニチュード